晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



でもリクは「不機嫌だなぁ」と、笑うだけ。


おはようって挨拶してくれたのに、こんなに冷たく言い返したら怒って当然なのに……。


どうしてそんなに優しいの。


私が、友だちだから、か……。


……もう本当にムリだ。


一緒にいると好きがどんどん溢れて泣きそうになる。


リクは純粋に私を親友だと思ってくれて接してくれているのに、


一方の私はこんなにリクが好きで……。


なんだかすごく自分が汚れているように感じる。



「ごめん、ちょっとトイレ……」



立ち上がるとトイレに向かった。


……本当にこの恋は正しいことですか?


この恋に名前はありますか?


あるなら、誰か教えてよ。


楽になりたい。


14才の私には手に負えない。


トイレの個室に入ってすぐ、扉に背中を預けて泣いた。


……あぁ、もうどうしよう。


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