晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
割り切ってるつもりだった。
ピラミッドの上に居られるなら、誰かの悪口を言って居場所をつくった方が良い。
降格して、上から見下ろされるなんて絶対私のプライドが許さないって。
だけどなっちゃんたちの容赦ない悪口を聞き続けて、私の中に私が二人いることに気づいた。
他人を蹴落として上に行きたいと思う私と、もう全て投げ捨ててやりたいと思う私……。
みんなの前では笑っているのに、
心の中では私、笑えていないんだ。
あれは言ってはいけないとか、
こう言わなくちゃいけないとか、
場の空気を読んで、出来るだけ穏便に、波風立たないように。
そんなことばかりを考えてなっちゃん達と話していると
人付き合いがめんどくさいって、思うようになった。
「うわぁ、雨だ。最悪〜……」
ショッピングモールを出ようとしたら雨が降り出していた。
土砂降りで、これはヒドイ。
「お母さんに電話して迎えに来てもらおっか?」
「マジで?咲ちゃんサンキュー!」
「いいって」