晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



話はそうやって落ち着いてみんなが了承したけれど、私は全然納得なんてしていなかった。


大人になるって、そんなこと?


理不尽なことをわかったと無理やり正しいことだと思い込むこと?


それなら私は大人になんか、なりたくないよ。



「咲ちゃん、今までゴメンね」



なっちゃんの言葉に、目を見開く。


……ねぇ、なにが?


なにがゴメンなの……?



「これからまた仲良くしようね」



風華ちゃんの言葉が遠くで響く。


信じられない。


あんなにヒドイ言葉と態度で私を傷つけて来ていたのに……。


私に聞こえるように「死ね」って言って来たり、部活でも私をひとりぼっちにさせるようにみんなに言ってたの、私は知ってるよ。


それなのに本当に仲良くできると、本気で思ってたりする?


私は、そうは思わないし、したくない。


それでも結局この話はこれで解決した。


解決になっていない、解決。


4人が一緒に生徒指導室を出て音楽室に向かうなか、私はわざと3人よりも早く歩いて音楽室に向かった。


憤りと、悔しさにくちびるを噛む。


……大人なんかクソくらえ。


大人ってなんだよ。


こんなの納得できるかよ。


だってこれって


『私がブログを書いたけど3人が仕方なく許してあげた』


って感じの解決の仕方じゃんか。


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