晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜

戸惑うココロ



宿題なんか忘れたことなかった。


ちゃんと期間通りに終わらせて、ちゃんと提出していた。


数学のクラス分け授業でも、塾に通う生徒たちにひとり混ざって、授業を受けた。


私は、きっと、優等生だった。



「松中さんしっかりしなさい。あの問題はもう解決したでしょ。あなたは次の生徒会長候補なのよ」



国語の授業が終わってから上野先生から声をかけられた。


私の学校へいく頻度は、変わることがなかった。


週に2回〜4回。


調子が良ければ、5回ちゃんと行ってる。


たまった課題のプリントをこの前むしゃくしゃして破り捨てた。


授業に出ても、ノートを開くこともしなくなった。


……生徒会長候補ってなんだ。


そんなの、私にとっては、もうどうでもいい。


そんな肩書き、欲しくない。


意味ないから、そんなもの。


この欠けた心を満たしてくれるとは、到底思えない。



「これはまだ秘密だけど、私は来年度から違う学校へ行くの。あなたが心配なのよ」


「はい……。すいません……」


「これ、あなたが来なかった授業ぶんの内容まとめてるから。わからないことがあったら聞きに来なさい。あなたならすぐ終わるわ」


「ありがとうございます……」


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