課長、ちゃんとしてください。
呆然とした課長の顔からは、感情が読み取れなかった。





でも気にせずに、あたしは続ける。







「しかも、課長が他の女の人と喋っていると、ものすごく嫌な気分になって………」







あたしはそこで言葉に詰まって、課長から受け取った手鏡に視線を落とした。




鏡をぎゅうっと握りしめると、少し気が楽になって、言葉がまた生まれた。







「………さっき鏡を投げてしまったのは、そういう気持ちからです。


課長が楽しそうに女の子と喋っているのが、見たくなかったから」






「……………」







課長は何も言わなかった。





あたしは鏡から目を上げて、課長に視線を戻す。







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