課長、ちゃんとしてください。
ここのところ忙しくて、半年以上放置してしまっていたので、今回はかなりばっさりと切ることになった。




おばあちゃんに、「前髪つくったほうがさっぱりするから」と言われ、その通りにしてもらった。




前も後ろもばっさり切ったので、ずいぶん髪型が変わった印象を受ける。





どこか落ち着かない気持ちで出社すると、そのせいか、オフィスに入った瞬間みんなの視線があたしを射た気がした。





でも、誰も何も言わない。




居心地の悪さを感じつつ、デスクにつくと。






「うわ~ぉ、あべちゃ~ん」






いつもの能天気な声。




課長がぱたぱたとあたしのところにやってきた。






「あべちゃん、髪切ったんだね~」





「あ、はい」






< 83 / 222 >

この作品をシェア

pagetop