(続編)キスより先なんてさせない
「確かにそうかもしれない。でも、俺にだって陽菜をのために出来る事だってきっとある。俺は、陽菜が好きだから……だから陽菜じゃないとダメなんだよ……」

俺は、言った。

ガラ―

「健太……」

振り返ると泣いている陽菜が居た。

何で陽菜が?

今の台詞、聞かれてた。

恥ずい……

「何で陽菜が居るんだよ? 」

俺は、照れ隠しで強気で言った。

「たまたま廊下で杉本君と健太が屋上で話してるって聞いたの。それで屋上に言ったの。健太がそんな事、思ってくれてると思わなかった。だからすっごく嬉しい」

嬉しい?

何で?

だって陽菜は、杉本が好きなんだろ?

「何で? だって陽菜は、杉本が好きなんだろ? 」

「何言ってるの? 私は、健太が好きなんだよ」

じゃあ、何であの時杉本とキスしてたんだよ?

「じゃあ、何で杉本とキスしてたんだよ? 」

「えっ、杉本君と何かキスしてないよ。それにあれ全て演技なの」

えっ、演技?

意味が分からない……

「小林、ごめんな……俺、日々野さんに頼まれたんだよ。小林の気持ちが知りたいからって……だから今さっきのも全て演技」

「健太、ごめんね……でも、私健太の気持ち知りたかったから……」

杉本の次に陽菜が言った。

えっ、俺の気持ちが知りたいから杉本に協力してもらった?

じゃあ、今まで悩んでた俺って一体……?

「ハッハッハッ。何だ、そっか。俺もその演技に付き合ってだけだよ」

俺は、怒り口調で言った。

「健太、やっぱ怒ってる? 」

「って言う事で俺は、邪魔だから帰るな。じゃあ、後はお2人さんで」

杉本は、そう言って去った。

「怒ってないよ」

俺は、笑顔で言った。
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