夫婦ですが何か?




「文句なく・・・・・最高です・・・・」


「賞賛頂き・・・光栄です」




本当さ・・・・最高の秘書で・・・最高の奥さんだよね。


ねぇ、絶対・・・・千麻ちゃん以上の人なんて俺には現れないと確信すらするんだ。


だから・・・。




1年なんて言わないで・・・。




手放さないようにギュッとその体を抱きしめていれば、不意に彼女が何かを思い出したように小さく声を響かせモゾリと動く。


それに反応して腕を緩めればパーカーのポケットに手を突っ込み携帯を取り出した。



「何?メール?」


「・・・はい、1時間ほど前に届いた物なんですが・・・」



そう言いながら手早く操作して示したいそれを画面に表示させる姿を何の気なしに見つめ待ってみる。


そしてはっきり目の前に突き出されたそれに絶句。


一瞬呼吸も忘れた程。




「一応・・・・迷いましたがご報告すべきかと思いまして」




淡々と無表情の姿がそれに対して焦りも見せず提示したのは我が妹達からのメール。





Tittle 大丈夫?
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こっちは千麻ちゃんのおかげで大盛況でしたぁ♡
ありがとう~!!

体調は平気~?

今ねぇ、恭司様とお食事して二次会~。

お兄ちゃんにもよろしく~。

朱&藍





そんな問題ありの文面と一緒に添付されてきた写真に唖然茫然。


我が奥様の、いけ好かない元彼を挟んでにこやかに映るのは俺の実の妹達。





受け入れがたい現実にふらりと手すりに寄りかかれば、我が奥様の淡々とした一言。




「・・・・3人・・かぁ・・・・」


「千麻ちゃんっ!!不吉で不健全な一言言わないで!!」


「・・・私は【3人】って言っただけですが?」


「いや、今明らかにその【3人】に不純な含みかけたよね!?」


「・・・・・・ダーリン・・・」


「・・・・・何?」


「・・・・・・性癖は人それぞれだから」


「っーーーーフォローじゃなく肯定!?」




ああ、こんな時でも無表情。


やっと少しは理解したと思ってもすぐに想定外の姿を見せる。


いつだって口を開けばこんな愉快な可笑しなやり取りで、滅多に甘い時間になりきらない。





それでも・・・・。






『夫婦ですが何か?』






千麻ちゃんならそう言うんだろうね。






3歩進んで2歩下がる・・・俺たちの場合4歩でマイナス?





突き進めた夫婦関係・・・、これからどうなる?








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