夫婦ですが何か?
ーーーーONE NIGHTーーーー
「・・・っ・・・ダメ・・・ちょっ・・待ってーーー」
「・・・ダメ・・」
見降ろす姿に悦楽を口元に浮かべてから口付けた。
その瞬間にグッと腕を掴まれそれを理解する。
終幕。
汗ばんだ体とそれなりの運動で乱れた呼吸。
それに伴って体全てで呼吸を整えるように揺らし、やっと口でもそれを整えようと重なっていた唇を離した。
距離を離せば非難する様な眼差し。
誰の?
勿論・・・グリーンアイ。
彼の・・・だ。
「・・・・・・悔しい・・・」
「・・・・・・不満足ですか?」
「半分ね。体的には満足で感情的には不満足」
「・・・・・挑まれるならもう1ラウンドお応えしますが?」
「・・・・底なし・・・・」
「さぁ?・・・・その【底】を発掘した第一人者になられてもいいのですよ?」
ニッと口の端を上げて悪戯に腹筋に指先を這わすと、少しくすぐったかったのか軽く眉を寄せた彼がその手を押さえる。
「・・・・それはいつか目指してみるよ。もう2ラウンド済みだし・・・明日も会社だし。・・・・女性ホルモン高めるのはこの辺でいいかなハニー?」
「・・・・・・意外とーーーいえ、了解いたしました」
「・・っ・・・何その含み・・・」
「そうですね。珍しく仕事に対して誠実な副社長のお言葉を尊重して就寝いたしましょうか」
「ちょっ・・・ちょっと待って!!絶対今『意外と』の後に期待はずれ的な含みあったよね!?」
「・・・・・・大丈夫ですよ。2度3度くらいは大目に見れますから」
「ーーーっ・・肯定!?」
どこか焦りを見せ私を引きとめる姿に、軽く微笑んで彼の意思を【尊重】してみせる。
勿論本気で苛立っての事ではなく・・・・からかいたいだけ。
この年若い夫で、散々私を仕事の面で振りまわす上司を。
頬笑みで更なる肯定を示しスルリとその身を彼から逃して隣に倒れ込み、更なる意地悪で背中を向けると布団にもぐり込む。
言われたとおりに終了で就寝するのだと示す様に目蓋を閉じると、逆に慌てて彼が体を起こしベッドが揺れた。
「ちょっ・・千麻ちゃん!?」
「おやすみダーリン」
「待って、待って・・・っ寂しい!!全力で寂しい!!」
なんなんだか・・・その理由。