ひまわりの約束



ーーー…放課後


「…赤崎くん!」


「…ん?どした?葵ちゃん。」


「…ちょっと。ついてきてくれん?


…聞きたいことあるけん。」




スクバを背負った赤崎くんを
つれてあたしは屋内テラスに向かった。




「…なに?聞きたいことって。」


「…日向の…ことなんやけど。」



「…日向?」


「…赤崎くんなら、日向の過去に迫るヒントがもらえるんじゃないかなって思って…」


「…わかった。でも俺から詳しくは話せなんから。残りはちゃんと日向に聞きい?」


「…わかった。」


一呼吸置くと

ベンチに座って
話し始めた。



「…この前、見たんやろ?

日向と女の子が喋る姿。


あの子は道重 さくら。

日向が中3の時に
付き合ってたいわば元カノってやつ。」




「…日向にも彼女…居たんだ。」


少しだけ衝撃的だった。

…まぁ居てもおかしくないくらいの
イケメンであることは間違いないけど。


やっぱりショックだ。



「さくらが入学してからずーっと
日向を好きだったみたいで
アタックしまくってた。


俺は羨ましかったけど


日向はそうじゃなかったみたい。」




「…えっ?なんで?」




「…約束。したんやろ?

それがずーっと頭に残ってたらしいし


何よりも葵ちゃんのことが
忘れられないって。


まぁそんなこと、
さくらは知る由もないけん。

アタックは続いた。


日向はアタックを
断りきれなかったのか
とりあえず仲良くしてたけどな。」




赤崎くんは
懐かしむように
空を見上げる





…約束。


あの約束。


あたしを忘れられなかった。


嬉しい反面少しだけ複雑だった。



それで日向の自由を
奪ってるような気がして…







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