Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
私は静かに自分の言葉を確認する様に文に言った。
『文。それは私がダメとかイイとか言う問題じゃ無いと思うよ。付き合っているのは文とその子なんだから。よく二人で話した方が良いと思う。』


私は自分でこの言葉に傷付いた。
本当はイヤと言いたかった。素直になれなかった自分に呆れた。


この言葉は今になっても、鮮明に思い出せる位後悔した言葉だった。この言葉で私と文の運命は変わってしまったのだから。



文は私のこの言葉を静かに聞いて、そして言った。
『分かった。話してみるよ。ありがとう。』


ズキン。


私の心が音を立てて傷付いた。
私はそれを文に悟られない様にニコリと笑い、2人で店に戻った。


仕事が終わり通用口に少し遅れて出て来た時には文と文のバイクは居なくなっていた。
私はその夜1人で家路に帰った。
泣きながら・・・。


真っ直ぐ帰る気になれなくて、家の近くの幹線道路の歩道橋で車の流れるのを暫く眺めていた。
道路はまるで光の河の様に車が走っていた。
滲んだ瞳でボヤけた光の河。


素直になれない自分。
馬鹿だ私は。
溢れ出す涙は暫く止まることは無かった。



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