Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
裏切りと安息
ある日、駅に降り立ち文の家に電話をすると、文が迎えに来てくれる事になった。


私は内心緊張していた。
初めて文の家に行くのだ。
やっとと思うべきか、来る時が来たと思うべきか、心の葛藤をしていると、文の優しい何時もの声が聞こえた。



『文。乗って。』
文は車で来たのだ。
初めて文の車に乗った。


渡辺さんの時とは全く違った。
そう。私は嬉しかったのだ。


助手席に滑り込むように乗って文を見た。
文はニコリと微笑むと、車は滑らかに走り出した。



流れる景色は初めての場所だったが、今でも記憶に鮮明に残っている。



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