君がくれた約束

「ちょっといいですか?」


「…はい」



私は医者に呼ばれた。


怖い。
生存率が1%とか言われたら…。



「親族の方ですか?」


「いえ…友人です…」


「ご家族の連絡先とかは分かりますか?」


「いいえ…」


「…今晩が山になります。出来ればご家族の方に連絡したいんですが…」


「分からないんです…。私、ちゃんと付いてます。もし何かあったら…もし何かあったら、絶対にシュウの家族を探すんで…!」



私は涙が出た。


シュウが本当に危ない事を確信したのと、
シュウの事を何も知らない自分が、ちっとも役に立たなくて、情けなくて、
涙が出た…。


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