君がとなりにいた日には
「......。そんなことがあったのか...。」



「うん...。」


「お、おいちょっと待てよ。柚衣って聖也のことが好きだったのかよ。」



「...。気づくのおっそ...。」



私は全てを陽向に話した。



聖也が好きだってこと。

聖也とはるかさんがキスしてたこと。

さとみのことも全部。


「柚衣も大変だな、俺だったら耐えられねぇわ。」


「柚衣さ、こう見えて強いじゃん。俺、尊敬するわ。」


「そんなことないよ。私は弱い...。」


陽向は全て受け止めてくれる。ほんとに優しい。ずるいよ...。


「もし、さ」


「うん。」


「もし、陽向が聖也みたいだったら好きになってたかも。」



「そっかー。あのさ、ひとつ聞いていいか。」


「なに?」


「柚衣は聖也のどこが好きなの。てゆうか、なんで好きなんだよ。」


「なんでって...。好き、に理由なんて必要ある?まぁ、私さ、中学校のころイジメられてたんだ。それで、毎日毎日怖くて
、それで初めて助けてくれたのが聖也だったの。」



「うん。」



「それで、純粋でバスケばっかやってるけど、時には真面目で、友達思いでちゃんとみんなのこと見てて、みんなのこと盛り上げてくれて...。なによりね、バスケやってるときにさ目が輝いてるんだよ。」



「そっか。」



「それで、いままで気づかなかったんだ。最近なんだ、気づいたの。で、改めて好きなんだなって。」



‘初恋...’


「だったんだ...。」




「そーか。そーか。」



陽向は頭をポンポンしてくれた。


「うん...、、。」


「陽向、、ありがとね。聞いてくれて。」



「いやいや、全然。こちらこそ。柚衣のこと少しだけどわかった気がする。」



「じゃあ、またなんかあったら言えよ!」



「うん...。ぅぅ、ぅ、、、。」



全部話した途端、肩の重荷が降りた。



こんなにも、たくさん背負っていたんだ



こんなにもこみ上げてくる涙は初めてかも、だからこそはるかさんに取られたことは悔しい。




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