意地悪なキミの好きな人




まだ言うつもりはなかった。だけど口が勝手に…。



そのせいで野原は俺に何か言おうとするが、正気に戻った俺は恥ずかしくなって話をそらした。


そして塾なんてねぇのに、走って家に帰ってしまった。



あー……自己嫌悪。

俺がもっとハッキリ伝えれる性格だったらよかったんだけど……。


素直になるのは苦手。こんな性格嫌だ。



「ハァ……」



最初は認めたくなかった。野原のことが好きだなんて。



俺の勝手なプライドだよ。田中の言ってた通り。



考えこむのは俺の性にあわねぇ。



俺はあいつが好き。それだけだ。



野原は…まだ俺のこと好きでいてくれてるのだろうか。


たくさん傷つけた、最低な俺を。


< 165 / 335 >

この作品をシェア

pagetop