意地悪なキミの好きな人




「俺のこと忘れたの?マジで?」



「へ、ごめんなさい……」



すると目の前にいる男子は私の頬をつまんだ。



「ひゃっ、なにっ?」



「なんで忘れてるんだよー、桜もち。」



桜もち……?桜もち、桜もち、



「あーっ、健ちゃん⁉︎ 」



健ちゃんこと、山村 健太。


小学校、同じで私をからかってばっかりだった人。



気の合う男子だったんだけど、

私とお姉ちゃんを比べるところは好きじゃなかった。



そして、小4のときに引っ越していった。



「やっと思い出したか。バーカ。」




それにしても健ちゃん、変わったなぁ。


小学校の頃は私より背が低くて、声も高くて、いっつもイタズラばかりしてた。

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