意地悪なキミの好きな人



「俺は、如月 直斗。大学生なんだ。」



大学生かぁ……お姉ちゃんのこと知ってるかな?



「私は野原 美桜です。

あの…野原 美咲って知ってますか?今高3なんですけど……」



するとお兄さんはうーん、と考えたあと、


「ごめん、知らないかな。」



「そうですか……何部だったんですか?」



「野球部だよ。でも俺下手くそだから全然ダメだったけどね。」



お姉ちゃんのこと知らないかぁ……。少し残念だな。



「そういえば、海斗に彼女できたか知らない?あいつモテるのに彼女つくんねぇんだよ。」



「さぁ、わかんないです……」



本当は知ってる。お姉ちゃんが彼女なんだよね。



「まだできてねぇのかな…。一応アイツには彼女できたら紹介しろって口うるさく言ってるけど……」



「そうなんですか。」



するとお兄さんは時計を見た。



「あ、もう時間だっ!ごめんね、またね。」



そう言って立ち上がるお兄さん。



さてと、私も帰ろうかな。


お会計をして店を出た。


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