誰かがいない


日和は、杉沢さんちの奥さんが言った『5人』という言葉が突っかかっていた。



ピンポーン…




その時、家のインターホンが鳴った。

この家には今、日和以外誰もいない。




日和は1階へ降りて玄関のドアを開けた。






『あらこんにちは〜!奥さんいらっしゃる?』

向かいの家の永井さんちの奥さんだ。



『あっ…母はまだ仕事から帰ってなくて…』

『あらそ〜、じゃあ、また来るのもなんだから、これ、奥さんに渡してくれる?ご家族で食べて』


そう言って永井さんちの奥さんはケーキを置いて帰った。






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