だから俺と、付き合ってください。



ただの特訓だよ……?


そんな言い方したらダメだよ。


……私、なんか嬉しいって、思っちゃったよ。


勘違い、しちゃう。


私のこと、大事にしてくれているんじゃ、ないかって……っ。



「あ、藤田!行こう!」



学校前の校門。

もともとそこで待ち合わせていた私たち。



「うん……!」



駆け寄ると清瀬くんの隣を歩く。


わざと少し遅れるように校門へ向かった。


清瀬くんとのウワサが立ったらマズイかなぁって思ったから。


好きな子がいる彼にとっても。


彼氏と別れたばかりの、私にとっても。


……私って、すごくズルい。


先輩と別れたばかりだから、清瀬くんと一緒にいるところを他の人に見られることを恐れてる。



『もう他の男に乗り換えてる』



先輩のファンは多いから。
そんなことを言われるんじゃないかって、考えてる。


だから待ち合わせに、わざと遅れて……。


ズルすぎるよ、私……。


性格、悪いよ……。

< 113 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop