生きることの意味【完結・加筆完了】


ああ、もう止めてくれ。
あたしの心臓がモタナイ。


好きって言われて、確実にあたしの体温が上昇しているっていうのに。


恥ずかしくて、嬉しくて、照れ臭くて、心臓の音が聞こえるんじゃないかって、ビクビクしてる。

別にバレたっていいんだけどさ。
それでも、まだ知られたくない。


少しずつ、少しずつ。
本当に少しずつ。あたしは緋人を好きだなって思ってるんだ。


まだ自分の気持ちに確証なんて持てないから、緋人に言う事なんて出来ない。
それにあたしはまだ緋人に相応しくなんてない。


今度のテストでいい点取れたら、相応しいと思えるかな。
いい点数が相応しいって事にイコールするわけじゃないけど、少し自分に自信が持てたって事実があたしを強くすると思う。


それが積もりに積もったら、緋人と一緒にいて視線を感じても堂々としていられるのかな。



エレベーターが一階に到着すると、緋人はやっとあたしを解放してくれた。
泣きそうな顔で笑いながら、「ありがと」そう呟いた。

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