生きることの意味【完結・加筆完了】


そんな視線、緋人は一切気にしていないみたいだ。
相変わらずというか、なんというか。


渋谷に到着すると、京香さんに連絡をする緋人。
京香さんはすぐに現れて、想像通り……いや、それ以上にめちゃくちゃ怒っていた。


そんな京香さんをハイハイ、と軽くあしらう緋人にあたしも苦笑気味だ。


タクシーを捕まえた京香さんは緋人をそこに押し込んで、くるっとあたしの方を振り返った。


「……緋人を連れて来てくれてありがとう」

「え。い、いえっ」

「貴方じゃなきゃきっと無理だったわ。
これからも緋人を支えて頂戴」

「……」

「何か?」


あたしが黙っていると、視線が鋭くなったからあたしは慌てて口を開く。


「いや、そんな事言われると思ってなかったんで驚きました」

「私だって別に、全否定してるわけじゃないの。
緋人のこれからを考えて言ってるだけだから。
……だけど」


一旦、そこで区切ると鋭かった視線が緩んだ。
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