君に出逢えた奇跡

"美空、今大丈夫？"

"うん。"


鳴り響いた音は蒼汰からの音声通話を知らせる音。

「もしもし‥」

「美空、久しぶりだな〜。話すの」

「そうだね。」

本当に久しぶりに聞いた蒼汰の声。
やっぱり優しくて温かい。

「ホントは毎日、美空と話したいと思ってた。俺おかしいだろ？」

「そんな事ないよ。」


だって‥私もそうだから。


「イヤ、おかしい。何してても美空のことばかりで‥時々自分でもどうしたらいいのかわからなくなる‥って会ったこともないヤツにこんな事言われてもウザイよなｯ。」


「ううん。そんな事ないよ。」


「やっぱり美空は、優しいな。本当なら‥こんな奴ただの怪しい奴でしかないのに。」


「蒼汰は全然怪しくなんてないよ。」


「ゴメンな美空‥秘密ばかりで‥でもいつか必ず話すから。」


「蒼汰が話せるようになるまで待ってるよ。」


きっと蒼汰は蒼汰で
秘密に悩んでるんだって思った。