嘘を重ねて。





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キーンコーンカーンコーンッ




「ここまでにします。課題は金曜までな」



そう言って去っていく教師を横目に

私はいつも通り教室を後にする




向かう先は
屋上


学校での唯一の居場所


それでも
いつも1人だった


そんな日常に
小さくも大きい変化




定位置に座ると小さく呟いた




「今日のお弁当、失敗かな」





「いや、普通にうまそうだよ?頂きマース」




後ろから顔をひょこっと出した男は
いとも容易く私の箸から卵焼きを奪うと
満足げな顔でにっこりと笑った





「ちょっと翔琉!!!勝手に人の食料奪わないでよ」



「はいはいごめんなさいねー」




そう言って隣に座るこの男……桜川翔琉


彼の存在こそ
私の日常に突如として現れた



最大の変化の種











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