ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
ん?と首を傾げる私に、にょにょ村部長が小さな手を振り、別れを告げていた。
堂浦さんはニッコリ笑い、こう言った。
「夏美ちゃん、月曜会社で感想聞かせてね〜。
あ、そうそう。三国も心配してたから、後でメールしてやって?
あの太っちょ君、肝心な時にインフルエンザで……」
三国主任がインフルエンザ?
少しだけ、どうでもいいと思ってしまう情報をくれている最中に、
エレベーターの扉が閉まった。
堂浦さんとにょにょ村部長がいなくなり、久遠さんと私が取り残された。
久遠さんに腕を引っ張られ、
「お前はこっちだ」
と、隣のエレベーターに乗せられた。
なぜか帰り道の1Fロビーではなく、最上階の一つ下のボタンを押す久遠さん。
上昇し始めたエレベーターの中で理由を聞いても、何も答えてくれなかった。