水平線の彼方に(下)
Act.12 答え
「……ごめん!許して!」

運動会の片付けが済んだ後、芽里は両手を合わせて謝った。

「私…どうしても先輩の彼女になりたくて…ジョーリ君に協力してもらったの…ホントにごめん!」

再度パチンと手を合わす。こんな素直に謝られると、返って怒る気にもならない…。

人気の少なくなった教室。そこで芽里は、事の成り行きを説明してくれた。

「夏休みの図書館で宿題してるキラリ達を見たの。楽しそうに皆で集まってて、羨ましいなって思った。特に、キラリとジョーリ君は特別に仲が良くて…」

伯母さんからもらった四日間の休日。終業式の後の気まずさを吹き飛ばすかのような充実した日々だった…。

「じーっと見てたら気づいたの。もしかして、ジョーリ君、キラリが好きなのかな…って…」

私が落ち着きなくあちこちの席に行くのを、ジョーリがつまらなそうに見てたかららしい。

「次の日もジョーリ君図書館に来てて、それとなく聞いてみたの。キラリのこと、好きなんでしょ…って。否定したけど照れちゃって、すぐにアタリだと思った」

告られた日に、赤面してたことを思い出した。

「私にも片思いの人がいるから協力し合わないか聞いてみた。書いてた手紙、渡してほしいって…。そしたらそっちも上手くいくよう協力するって…」

ジョーリは迷った挙げ句、手紙は渡すと言ってくれた。

「だから私も、お返ししただけ!…私とジョーリ君がくっ付いてたら、キラリは寄って来れないでしょ。そしたら自分にとって、彼がどんな存在か分かるかと思って…」

まんまと乗せられた。ううん、ホントによく分かった…。

「先輩…なかなか手紙の返事くれなくて…少し不安になってたの…でも、今日、あんな形で告白されて…」

目潤んでる…。可愛い芽里が、尚更可愛く見える…。

「嬉しかった…両思いになれて…ジョーリ君とキラリのおかげ……」

「そんな…私、何も…」
「そうだよ。こいつ何もしてないじゃん」

隣にいたジョーリ、呆れたように私を指差した。

「そーだけど、そんな言い方しなくても…!」
「だったら他にどんな言い方すりゃいいんだよ!勝手に勘違いしたくせに!」
「ぐっ…。そ、そうだけど……」

返す言葉なし。全くもってその通りだから…。

< 50 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop