201号室の、オオカミくん☆

「お前っ 先生に向かって!」

「自分がグズなのを息子のせいにするな。グズ」

確かに覗き見する奴はグズだけど、ナイフで殺す寸前まで追いやったのはコイツだ。――このクソジジイだ。


「私、この小さな身長が嫌いだったんだよね。もっと大きかったらビデオに良く映れるし、病室でそのビデオを見るお母さんだって私が探しやすいだろうって」


皇汰にスリッパを返すと、どこから持ってきたのか葵が松葉杖をくれた。


「だから、正座をしてする書道を止めようと決意したんだ。科学的根拠は無いけど、正座ばかりしてたら身長が止まるって聞いたから」


あの日のお婆ちゃんの眼差しを覚えている。

私の話を真正面から受け止めてくれた。
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