彼の好きな人




――ゆっくりと教室の扉を開くと…

彼が寝ていたの。


私の机で――。



ツンツンと…彼の肩をつついてみた。

すると、目を覚ます彼。


まるで、私を待っていたかのように…。


本当は、迎えに来てもらう予定だったのよ?
なのに、迎えに来ちゃった。



「好きです。付き合ってくださいっ」


「…はい。

って…俺が言う台詞…。」


「だって、待ちくたびれたの。
もう待たされるのは嫌。
だから、迎えに来たのっ」


「あの時も、凄くかっこよかった。
でも、今の方がかっこいいかな。」


「嬉しくないよ。そんなこと言われても~…。」



迎えに来てほしかったの。


でも、私から、彼を迎えにいくのも


悪くないかなって、思ったわ。



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