full of love~わが君の声、君の影~

コンビニから男性が出てきた。
さっきのくの字の姿勢からうってかわって背筋が伸びている。
ずいぶんと背が高い。
顔色もいくらか良いようだ。
(ん?この顔どこかで・・?)

「あっ大丈夫でしたか?」
「ありがとうございました。助かりました」

(知ってる!この顔・・名前なんだっけ?)


用意した薬を渡しながら顔を良く見ようとしたが顔をふせてなかなか目線をあわせてくれない。

(ああ恥ずかしいのかな・・?顔がばれるのもまずいのかな・・?)

そう思った私は早急にその場を離れることにした。
「では気をつけて帰ってくださいね」

踵を返すと自転車に向かって歩き出した
すると後ろから足音が追ってきた

「あ、あのお礼をしたいので連絡先を教えてくれませんか?」


そうそれが始まりだった
あの時彼が追いかけてこなければそれで終わっていたコト。

< 100 / 308 >

この作品をシェア

pagetop