ブランコ。
「首、刺されちゃったみたい」

「どこ?」

僕はリエを街灯の下に連れて行く。

街灯の下で見るリエのうなじはほっそりとして、このか細い首でいろんなことにひとりで耐えてきたかと思うと思わず抱きすくめそうになった。

「赤くなってる?」

リエは少し振り返りながら、僕にそう聞いた。

「うん、少しな」

僕は答えながらリエのうなじを見ていた。



たしかに赤くなっていた。

でもそれは、うなじだけではなかった。

振り向いたリエの目も、泣いたように真っ赤になっていた。
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