ブランコ。
「だって、ほら、ぎょうざでしょ?」


お母さんはわざわざ新聞の包みを解いてくれて、中のタッパーの蓋を開けてくれた。


そして、本当にそこにはぎょうざが並んでいた。


タッパーは高気密に保てるやつで、蓋をしたままでは外から匂いなんてわかるはずがない。


実際、ぎょうざのように強烈なものならば、車の中にも匂いが充満してたはずだ。


「そして、これか……」


お母さんはもう一つの、プレゼントの方に目を向けて考えている。


どうやら、そっちの方も心当たりがあるようだ。


「高梨君は、ぎょうざが入ってるのわかんなかった?」


「はい。ぜんぜん……」


「ふむ……。なるほど」


「お互い、まだまだってことね!」


「はあ……」
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