ブランコ。
「食事はエロスだ……」


そう急に言ったかと思うと、リエは後ろに倒れこんだ。


寝ている。


しかも大の字だ。





ここは僕らの同期会の会場。


去年の冬のことだ。


どこかの居酒屋の座敷席。


僕より年上で、短大卒の同期女性社員の、くだらない恋愛話を聞かされていた時だった。


リエは僕の隣に座って、同じく延々と続く(話す彼女にとっては)悲恋話を聞かされていた。


「おい、境。風邪ひくぞ」


「う〜ん……」


起きない。


起きそうにない。


室内は暖房が効いてたが、出入り口の開閉による、すきま風も結構あった。


僕は着ていた上着を脱ぎ、そっとリエの体に掛ける……わけもなく、居酒屋の座布団をリエの体に掛けた。


三枚も。
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