ブランコ。

僕はリエの頬を離すことも忘れて考え込んでいた。


「いひゃいよう……」

「は?」


僕はリエの方を向く。

まだ頬を握っていたことを忘れていた。

というか、忘れたふりをして、頬を引っ張りつづけた。


「ああ、ごめん、ごめん」

「いいひゃら、ひゃなしてひょう……」

「うん? 何?」

「ひゃなしひぇくらひゃい……」

「もう、泣き真似とかしない?」

「ひゃい」

「よし」


リエは少し赤くなった頬を擦っている。
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