キミへの想いを10文字で。
すぅ、っと血の気が引いた気がした。


「お……姉ちゃんが……?」


「急げ、乗れ、早く」


真剣な表情の翔琉は、泣きそうにも見えて。


気がつくと、翔琉の自転車の後ろにまたがっていた。


「ごめん、ちょっと行ってくる」


「悪ぃな、黒川。ちゃんと返しにくるから」


翔琉が、また失礼な台詞を口にする。

あたしはモノじゃねーーーーっつーーーーの!


黙っていた黒川君が、1歩前に出る。


「返さなくていいよ」


……はい??


「はぁあぁあ??」


案の定、翔琉のキレ気味の声が聞こえる。顔は見えないけれど。


「だから、誤解すんなって。邪魔したくてしてるわけじゃねーよ!」


あたしを後ろに乗せ、今にも走り出しそうな格好のまんま、怒ったように言う翔琉。
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