キミへの想いを10文字で。
lesson15
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「早く、行ってきな!」


ためらう希美の背中をぐいぐい押す。


「いや、いいよ。今日はあたし、一花と過ごす!」


希美も負けじと足を踏ん張っているらしく、その細い身体は中々動かない。


「なーーーに、言ってんのよ、ほら、早く!」



3月14日。

サッカー部が練習しているであろう校庭に二人で来て、温かいココアを飲んでいたら。

もうすぐ練習終わるから待ってろ、と博己君に言われた希美。


じり、じりと希美の身体が押し出される。


伊達にあたし毎日もりもりご飯食べてませんから!


……でもだめ。


意外と踏ん張る希美。


……こうなったら。


「希美が行くなら、あたしも行くから!」


「……へ???」


ふ、と希美の力が緩み、あたしが前につんのめって。


言ってからしまった、と、思ったけどもう遅い。
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