キミへの想いを10文字で。
「聞いたって言うか、まあ、多少……」


自分でも呆れるくらいしどろもどろ。


真実を知りたいのは本当だけど、怖い。


今までの平凡な生活の歯車が狂うような現実なら、見たくない。


真顔になると、ぞっとするほど整っているお姉ちゃんの顔。


にこにこしていると、あんなに柔らかい雰囲気なのに。


「そっか…………ごめんね」


この間のあたしじゃないけれど、何に対してのごめんねなんだろう。


ただ、目の前にいるお姉ちゃんは何だか今にも消えてしまいそうで……


「ほんとう、なの?」


思わず駆け寄り、両手を取る。


そして、その手の小ささと冷たさにぞっとして。


髪の毛をごしごしするくらい、お風呂から上がりたてとは到底思えない冷たさ。
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