黒色女子を個人授業
私は思い切って昼間の気になる質問をぶつけてみた。

「花ってさぁ、大城さんとデートしたことある?」


すると花は、はぁ!?と驚いた顔をした。

「してないよー。突然何!?」声を上げる彼女に
「ええと……本人がそーゆーことを言ってたから……」私がおずおず答えると

「ああ、あれかな?
昔、一緒のプロジェクトで休日出勤したときに、ランチ奢ってもらったことがあるけど……」

花は記憶を手繰り寄せるように呟いた。

「でもあれだよー、デートとかそんなんじゃなくて、仕事付き合いっていうかさ」


彼女の言葉に、なんだ、違うのか、と胸を撫で下ろす。

上司が『女性社員全員に手を出している女好き』という事態はなんとか免れたようだ。
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