黒色女子を個人授業
「それにな。俺、結構今のポジション気に入ってんのよ。
人を使う立場より、マイペースに自分の作業やってんのが好きなんだよ。
適材適所ってやつだな」

「ですがそれでは」大城は自分の作業を淡々とこなしながらも呟いた。「今井さんの旨味はありませんよ」


確かに立場に縛られず自由に働けるかもしれない。

だが、どんなに良い仕事をしても、手柄は上のもの、全て上司に持っていかれる。


「まぁ、それでも構いませんけど。僕にとってはおいしいので」

言葉とは裏腹に、大城は意に添わなかった。

……本来なら、もっと評価されてもいい人なのに。

つくづく勿体無い人だ。


「じゃあ、その分、俺のボーナスの査定に反映してくれりゃいいよ」

今井はあっけらかんと言い放った。
< 226 / 510 >

この作品をシェア

pagetop