黒色女子を個人授業
「決まりです」大城さんは私達2人に向き直った。
「申し訳ないですが、明日使う資料を手分けして直してください」


大城さんの指示に今井さんは言葉を失い、私は「わかりました」と答えた。

「僕も今の仕事が終わったらすぐに手伝いますので」

お願いしますね、と柔らかな笑顔を残して、大城さんは席へ戻って行った。



今井さんの『やってくれたな』という凶悪な視線を背に受けながら、私も自席へ戻った。

私は悪くない。正しいことをしてるんだ。


……それでもちょっと不安になるときがある。

私は馬鹿正直で不器用なのだろうか。

見て見ぬ振りをしたり、都合の悪いときはごまかしてみたり

もっと要領良く、ズル賢く振舞った方が社会人として正解なのだろうか。

正しいことをした結果疎まれるのは、ちょっとしんどい。
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