青空の下月夜に舞う
私がそう言うと、軽く溜め息を吐いた祐也は、


『何も知らないお気楽人間は羨ましいな』

「はあ?何その、ちょっとバカにした感じ」

『お前なら大丈夫だな。じゃあな。明日は学校来るか?』

「ふん」


とにかく知らない振りしろよ、と最後に念を押されて通話を切った。

何だって言うんだよ。

携帯を胸の上に置き、天井を見つめる。

さっきまで居たボロアパートとは比べ物にならない位綺麗。

だけどやっぱり寂しく感じる。

取り壊して何が出来るんだろ。


ムクリと起き上がり、鞄から財布を取り出し、中身を見れば所持金は2千円。

明日はパン屋のバイトだし……

銀行行く暇ないもんね。

一旦シャワーを浴びて、身支度を整えると、バイトには少し早いけど銀行に寄ってから焼肉屋のバイトに行く事にした。
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