カカオ80%な彼。
ー菜津Saidー


「……あたし、最低だ……」


図書室に着いてさっきあたしが言ったことを今更後悔。




ガラガラガラーーーー


え?誰?

やだよ。こんな惨めなとこみられるとか終わってるよ!!


あたしはとっさに隠れようとしたけど
それはだれかの腕によって阻止された。



ギュっ


え?あたし、抱き締められてる?

だれ?

ううん、知ってる。

赤月先輩しかいない。



「……先輩、どうして追いかけてきたんですか?」

「べつに。なんとなく」


言葉は冷たいけど心配してくれてることちゃんとわかってる。


「……先輩、あたし……
「お前は引き立て役なんかじゃねーよ」

「………」

「お前の友達もだけど、
お前3年の間で彼女にしたいって人気だぞ」


それは、本当のこと?
それとも、あたしを慰める為の嘘?

だけどどっちにしても
もの凄くうれしい。
< 56 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop