彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

あたしが通っていた小学校は、大きな通りに面した場所に建っていた。


昔からこの街に建っている小学校で、老朽化も進んでいる。


そんな学校の廊下をあたしは1人で歩いていた。


足元は靴下だけで、シューズは履いていない。


ついさっき登校して自分の下駄箱を見てみたら、シューズがなくなっていたのだ。


昨日間違えて持って帰ってしまったのだろうか?


一瞬そう思った。


でも、そんなハズはない。


今日は登校日だから、わざわざ持って帰ったりなんかしない。


ひどく汚れてしまったりすれば一旦家にもって帰って洗ったりもするけれど、昨日はシューズが汚れるようなことはしなかった。


疑問に感じながらも、あたしは靴下のまま校内を歩いた。


生徒たちが毎日掃除をしている廊下はよく滑って、2階の5年3組に到着するまでに何度も滑って転びそうになってしまった。
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