彼に殺されたあたしの体
『どうしてそんな事をするの?』


そう聞きたいのに、喉に声が張り付いて出てこない。


彼女を囲んで座っている子たちは含み笑いをしてあたしを見ていた。


それはまるで檻の中に入れられて芸をさせられている、動物になったようだった。


あなたは今日からここであたしたちを楽しませるのよ。


そう、言われているような気がした。


そしてそれはあたしの中では死刑宣告に近い状況でもあった。


今まで一緒にいた友人たちが全員そろってあたしの敵になったのだ。


ここにはあたしの味方は誰一人としていない。


そう理解すると同時に、全身の力が抜けていくのがわかった。


今まで仲良くしてきたのはなんだったんだろう。


一緒に遊んだのはなんだったんだろう。


誕生日プレゼントを交換したのは?


秘密のおしゃべりをしたのは?
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