彼に殺されたあたしの体
「仕方ないわね。テーブルの下に敷くだけの小さなマットを買ってこなきゃ」


「マロン、めっ!」


奥さんと桜ちゃんの声も聞こえてくる。


家族みんなに怒られているマロンだったが、床のカーペットが取り払われた時キャンキャン!と今までにない大きな声をあげて鳴き始めたのだ。


ドタドタとリビングを駆け回り、時に床をガリガリとひっかきながら、鳴くのをやめない。


「おい、どうしたんだ?」


さすがにマロンの様子がおかしいと感じたのだろう。


旦那さんが不安げな声を漏らした。


「みてみて。マロン、いつもここをガリガリってしてるよ」


「本当ね……。ねぇあなたこの下に何かあるんじゃない?」


「何かって、なにもあるワケないだろう?」


「でも、マロンの様子は変よ?」


「そうだなぁ……。床下に動物でも済みついているのかな」


「わぁ! ねこさん? いぬさん?」


「さぁ、どっちだろうね。おい、懐中電灯あるか? 床下にもぐって見てみるよ」
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