彼に殺されたあたしの体
「案外明るいな」


すぐ近くで旦那さんの声が聞こえてきた。


軒下に潜り込んできたのだ。


あたしの心はドキドキと高鳴る。


こんなに近くに人を感じたのは久しぶりのことだったからだ。


「あなた、気をつけてよ」


少し離れた場所から奥さんの声も聞こえてくる。


「あぁ。でも下にはなにもないぞ? 動物もいない」


「あれだけマロンが鳴いていたのに?」


「どういうわけだろうな? マロンならわかるだろうけれど……そうだ。マロンを連れて来てくれないか」


「マロンを?」


「そうだ。マロンがまた床をひっかくような仕草をすれば、そこを掘ってみればいい」


「なるほどそう言う事ね。わかったわ」
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