偽フィアンセは次期社長!?
「いや……それは一応企業秘密って言うか……あ、でもなんかノロケてるらしいじゃないですかー!!」


出ろ、出ろ、″明るくて無邪気な後輩の声″!!


「……あー……まぁ、な。極秘な」


「わかってますよぉ!あたし、次期社長の件もちゃんと秘密にしてますし。こう見えて口は固いです」


「……だよなぁー、自分も弱味握られてんもんな」


安心したように、課長が笑う。


……いるんだ。

本当に居るんじゃん、フィアンセ。


賭けは、あっさり撃沈。


「あ……これ、お返しします!今日はそのためで、あ、ご飯代……」


紙袋を押し付けつつ、完全にテンパっちゃってる、あたし。


「部下からそんなはした金受け取れるかっつーの」


「……じゃあ、御馳走様です、失礼します」


「おい……」
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