太陽の家
浩孝
キャバを助けたのはニートだった。

ニートは何も言わずにキャバを外の公園のベンチまで連れ出した。

「……お礼なんか、言わないから」

「……別に、言われたくて…した訳じゃないよ」

「あんたは人の命助けて満足なんだろうけど、こっちは大迷惑だよ」

「………………」

やはり、死ぬつもりだったらしい。

「死なせてよ……」

キャバはかすれる声で訴えた。

「…嫌だ。俺は、キャバに、生きててほしい」

「無責任なこと言わないでよ!そんな事言うなら…あんたが私の借金返してよ!!」

「いいよ」

「!?」

アッサリOKされたキャバは、ニートの顔を見た。

「…後どれくらいあるの?俺、今から仕事探すから」

ニートは真剣なまなざしでキャバを見つめた。

「何言ってるの…?やめてよ」

「キャバの力になりたいんだ」

キャバの手を強く握った。

「……何それ……意味わからない」

動揺しながらも、ニートの手を振りほどけなかった。

「…わからなくていいよ。いつか、わかってもらえれば」

「何で……」

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