せんせい、あのね
一章



キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
次の時間割は私の一番苦手な数学だ。


私は下野茉莉。
今年の春から高校生になった。
そして今日から高校初の授業が始まった。

数学は中学の時から苦手で他の教科は70点以下をとったことがないのに数学はいつも30点未満だった。
担任や担当の先生も「下野は数学の才能がないから諦めろ」と言われてきた。

一体どんな先生だろう。
私の苦手なタイプの人だったらどうしよう。

不安と期待を胸に私は席についた。
先生が来た…。

「…え?」

教壇に立つ人はどう見ても高校生だ。
みんなも私と同じく訳がわからないという顔をしている。
すると、

「えーっと、今日からこのクラスの数学を担当する宮野です。こんな見た目なんで高校生に間違えられるけど24歳です、よろしく。」

えー!?
そんな声が教室中に響きわたった。

確かに24歳には見えない。
背は小柄で160cm前半だろう。
紺色のスーツを着ていてそれが私の高校の制服にそっくりでより高校生らしく見せる。
今時高校生でもセットするのに何一ついじられていない、真っすぐで長めの黒髪。

か、可愛い!!
私の好みだぁー!!

そう、私は可愛い物や人が大好きだ。
好きなタイプは小柄な人はまさにでこんな人だ。

どうしよう、ド直球だ…。

わたし、先生好き。
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