レオニスの泪



上手に生きたい。

多くは望まないから。


せめて、自分の大切なものを、大事にできる時間が欲しい。

ほっとできる空間が欲しい。


余裕が、欲しい。


もっと慧を愛してあげたい。

一緒にいたい。

キレイな世界を見せてあげたい。

綺麗な空を教えてあげたい。

一緒に感動したい。

話を聴いてあげたい。





もっともっともっと頑張ったら、何か変わるかな。

何か見えてくるかな。

優しくなれるかな。



もっともっともっともっと、私が頑張れば。


ご褒美が、もらえるかな。


這いつくばるようにして、汗水垂らして、泥だらけになって、必死になってもがけば、いつかはどこかに辿り着けるのかな。


そこには何があるのかな。



そこに、私が求めているものはあるのかな。


今よりもっと。もっと。









今はまだ、爪先程の明かりも、見えてこないけど。




それでもいつかは。


その先に必ずあるだろう光の下に、立てると思ってた。





ーねぇ、慧。



ママは、どこかで、立ち止まるべきだったのかな。
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