バレない嘘をついてよ。
【一八 side】
何だよ、嘘つくなよ。
あの笑顔嫌いだ。
”大丈夫だよ”
と言った佐伯の目は、
笑っていなかった。
「嘘つき……」
「あららー、喧嘩かな? 一八」
陽気な声。
この喋り口調。
「葯伊江……リッカ」
「あれ、覚えててくれたんだね♪ 嬉しいよ」
「何でお前が、ここにいるんだよ」
葯伊江は不気味な笑みを浮かべた。
「転入生」
「は? 」
「俺、この学校に転入して来たんだよ。でもまあ……本当は、留年して停学くらってただけの話しなんだけどね」
転入って、じゃあコイツとはーー
「お友達だよ、夜神 一八君」
「ふざけんなよ、お前とは縁を切りたいんだよ。2度と関わってくんなクソが」
俺はアイツの前を通りすぎた。