蕾 〜A bud of fate〜

・それでも。


気分が優れない。
また、あの夢だ。


最近ずっとこんな夢ばかりだ。
病んでるのか?

まぁ…忘れよう。


「おはよぉ……」
 
 
眠い…眠いが、ちゃんと朝の挨拶はしなきゃな…ナイス、俺。
紳士、俺。
 
 


「おはよーっ」

リビングから声が返ってきた。
 
「あれ?姉ちゃんなんで居るんだ?仕事は?」
「休みーっ」

即答だ。
 
「あっそ。」
冷たく返事を返してやった
 
こいつの名前は、華巳 心結(はなみ みゆう)。

姉。2つ上。社会人。



「冷たっ!てか夜運(ヨル)学校ちゃうん?」
なかなか凹まないな…。
 
「遅刻していくー…」
俺は軽く返事を返し、リビングに座った
 
 
 

俺の名前は華巳 夜運(ハナミ ヨル)

珍しい名前だ。
そういや、小さい頃よく虐められていた。
特に春に。
ま、理由は想像に任す。
あぁ、ちなみに織坂(おりさか)高校の二年生で17才。花も恥じらう17才。

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
「学校行ってくる…」
 
 
いつまでも机に突っ伏してても仕方ないので嫌々立ち上がり、なんも入ってない鞄を手に取った。

休みてぇ。
でも出席日数足りなくなるのは嫌だし…
結構ギリギリだった気がする。そのギリギリがいい。スリル?
馬鹿言ってないで行くか。
 
 
 
「んじゃ行ってくるわぁ」
そう声をかけ玄関に向かった。
 
「はいよー気をつけなよー」

適当に返事をし 
 
ギィー…ガチャンッ…
 
外に出たんだが…
「しっかし暑いなぁ………」
 
家を出て5分と経たない内に汗だくだ。
 
 
 
 
「学校だるいー…」
 
 
 
毎日なぜ好んで学校行くのか。
周りが不思議で仕方ないよ。うん。
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